Knit-K(ニッケ)について

Knit-K(ニッケ)は「国籍」や「民族」、さらに「世代」「性」などといった個々の立場を越えた多様な人びとによる交流の場を創出したり、出版物の発行など各種媒体による情報発信を行ったりすることにより、個々の暮らしに内在される知恵や技術などを顕在化させ、それらがより多くの人びとのあいだで共有され、将来にわたり継承されるものとなることを目的としています。
具体的には現在、学術団体の講演会やシンポジウムの企画・運営のお手伝いや、研究成果をまとめた冊子・博物館の図録などの出版物編集・発行のお手伝いをしています。

『K』創刊にあたって

 社会は情報で溢れています。ネットで分刻みにニュースが届き、検索バーにキーワードを入力すれば「大抵」の問題が解決します。その情報の多さは便利でもありますが、人びとは情報に翻弄され、丁寧に向き合うことができなくなってはいないでしょうか。

 少子高齢化や経済格差の拡大など社会構成の変化は、宗教や思想などといった何かひとつの枠組みのみで情報に対峙する傾向を生み出しました。それは、人びとのあいだに分断をもたらし、社会を不安で覆い尽くすことにつながりかねません。

 このような状況で、何ができるのか。

 出版物を通して偏りのない情報を発信し、みんなで共有することからその答えを探りたいと考えました。
 それがこの雑誌を作る理由です。

 わたしたちKnit-K の「Knit」は文字通り「編む」ことを意味しています。「K」にはおもな活動の場である「京都・関西」のほか、「価値」「考え」「記憶」「気持」「暮らし」「継承」「交流」などの意味がふくまれています。

 『K』は、そんな私たちの考えを集約した雑誌です。国籍や世代、性別などの立場の違い、理系や文系という分野の違いなどといったさまざまな垣根をこえた、多様な情報を発信します。雑誌『K』の発刊が、情報に翻弄されない、より安心できる社会への糸口になればと考えています。